【社員の退社勧告】産業医の仕事?

解雇

会社側から産業医の権限で「復職を認めない」よう配慮してほしい

<産業医からの質問内容>
「うつ病」で休職をしている社員が、主治医の診断書を持参し、復職希望の意思を会社側に相談したところ、会社側から、
「産業医の権限で、復職を認めないよう配慮をしてほしい。」
「できれば、先生から、退職の方向で話をしてほしい」
と面接の前にメールで連絡がありました。

会社側の意向に沿う形で、復職判定を実施しなければなりませんか?

<回答>
産業医の仕事の中心は、病状を診た上で、病気の悪化につながる恐れがある場合は、就業制限(ドクターストップ)を事業主に勧告することです。

会社側の考え方として
①うつ病で休職した「社員の職場復帰を支援します」という建前はあるものの
②多くの場合、「本人の申し出により、退職してほしい」ということが本音であるケースを実際によく見聞きします。

本人が、休養をたっぷり摂って、以前の元気だった頃よりも元気な状態になっているのであれば、当然に「復職許可」を意見すべきですし、以前の状態にまで回復していなければ、ここで復職してもまた再発してしまうため「復職を認めない」という判断をすべきでしょう。

復職面談に際しては、本人は、経済的な理由などから、できる限り早期に復職を希望していることから、一時的に「瞬間風速」として「元気になった」ことをアピールするケースが実際には多く、この結果、復職して数ヶ月で再発し、その後、再発を繰り返す。。。という方がたくさんいます。

産業医は、医師であり、病気の状態をまず診ることに集中すべきです。
労使間の調停をする専門家ではないのです。

 

悩むのは、復職を認めなかった場合、傷病休暇がタイムアウトとなり、自然退職に追い込まれてしまうケースです。
最近の会社の就業規則では、傷病休暇の期間が3ヶ月などのように短くなっています。
休職する際に、3ヶ月では完治する見込みが少ないことなどを、前もって説明し、自然退職となる可能性が高いことを、きちんと伝えておくことが、トラブルを防ぐためにも必要です。

よく産業医は、会社側の人間なのか、という質問がありますが、医学的な知見をもって就業制限を勧告したり、解除することが仕事であり、会社側にも、労働者側にも、どちらかを味方するということがあってはいけません。
単に、病状をよく診て、働けるのか、働けないのか、ドクターストップの要否や健康改善のためのアドバイスをすることが仕事です。ボクシングなどのリングドクターがどちらかの味方をするのはおかしいでしょう?

会社側の思惑も、本人の希望もかなえてあげられればいいのですが、

そのまえに、病気を診ることが基本です。

産業医を『社員の首切り人』として、うまく活用しようとする会社をサポートする必要はありません。
直ちに、産業医契約を解約しましょう。

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代表取締役 高橋 雅彦株式会社ドクタートラスト 代表取締役社長

投稿者プロフィール

1964年生まれ(52歳)1988年早大理工卒後、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)に入行し、病院専門の融資課長などを経験。2004年同行退行と同時に、「医療」と「企業」を結ぶことを目的に「株式会社ドクタートラスト」を設立。社長に就任。現在12期目。趣味は五葉松の盆栽と休日のパンづくり。渋谷区松濤町会の理事を兼任。

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