お取引先インタビュー NTN株式会社さま
大阪市に本社を構える大手ベアリングメーカー、NTN株式会社。
2021年3月に「健康経営優良法人」の認定を取得するとともに、上位法人にのみ付与される「ホワイト500」にも選ばれています。
過去から現在に至るまでのお取り組み状況について、山﨑雅之さま(EHS統括部 部長)、小澤利之さま(EHS統括部 主査)、江端あき子さま(EHS統括部)、北川敬子さま(EHS統括部 保健師)にお話を伺いました。
※EHS:環境・労働安全衛生
最初にこれまでの安全衛生面へのお取り組み状況を教えてください。
(小澤さま)当社は長らく安全衛生や福利厚生に積極的な面がありまして、最近こそ年5日の年次有給休暇が法律で義務づけられましたが、1980年代から「年次有給休暇80%取得」を続けてきました。
また福利厚生面ではスポーツクラブが盛んで、実業団チームとは別にスキーやスノボ、テニス、フットサルなどのクラブが事業所ごとにあり、社内で大会も開催されています。
EHS統括部 主査 小澤利之さま
「健康経営」の言葉が登場するより以前から、先進的な取り組みをなさっていたのですね。
(小澤さま)そうです。
ですから健康経営優良法人を申請するにあたり、特段何か新しいことを始めたわけではありません。
健康経営優良法人の認定制度は2016年に始まっていますが、あらためて取得しようとした動機はどこにあったのでしょうか
(山﨑さま)EHS(環境・安全衛生)統括部が創設されたのは2018年のことです。
世界的に関心が高まるEnvironment:環境、Health:健康・衛生、Safety:安全を一体的に進めることで、環境、労働安全衛生のさらなるマネジメント強化を図るべく、それまで人事部や総務部の中にあった安全衛生グループと環境グループが一つの部署として独立しました。
(小澤さま)当社の経営の基盤に「当社グループで働くすべての人が安全で健康的に働き、活躍できる職場環境づくりの実現」がゆるぎないものとして過去から存在していたものの、安全衛生にまで落とし込んだ基本方針はなかったため、EHS統括部が創設されたことを機に2020年7月に安全衛生基本方針を、また健康に関連する会社の姿勢を示す健康宣言、禁煙宣言を発布しました。
こうした一連の取り組みは安全衛生活動の一環であり、できていて当然という考えから最初の頃は、健康経営優良法人の認定にあまり興味を示していませんでした。
EHS統括部 部長 山﨑雅之さま
そうだったのですね!
(江端さま)健康への取り組みを従業員・外部の方からもわかりやすいかたちでPRできないかと考えたとき、その手段として浮かんだのが「健康経営優良法人」でした。
当社の取り組みを世間や同業他社と比較してみたい想いもあったのですが、結果的に上位法人である「ホワイト500」に認定された次第です。
これまでの活動が対外的に認められたことで、今まで手を付けたかったけどできなかった部分ですとか、従業員の喫煙率の低下とか、より一層掘り下げられるようになったと感じています。
喫煙率に対して過去からどのような取り組みをされていたのでしょうか?
(江端さま)健康宣言を出すにあたり他社さんの情報を調べるなかで、当社はかなり早い段階から禁煙に取り組んでいたと知りました。
本社については、1990年頃にまでさかのぼりますと自席でタバコが吸えていたのですが、その後、屋内喫煙所が設けられ、さらに建屋内全面禁煙へと加速度的に変化していき、2004年には就業時間内禁煙が始まりました。
一方で工場は従業員の平均年齢が高く、現場職も多いので、事業所によっては喫煙率が40%超えているところもありました、愛煙家も多いので「喫煙率を下げよう」と積極的に言いづらい状況だったものの、健康宣言を出したことで会社の姿勢としてタバコ、とりわけ受動喫煙から従業員を守ろうと言えるようになりました。
また、禁煙を進めるにあたっては「タバコを吸っているからやめなさい」では、個人対個人を非難し合う、喫煙者と非喫煙者が戦う構図になってしまうことから、「みんなで一緒にタバコをやめられるにしよう」とあくまで「受動喫煙の被害から守る」を念頭に施策を打ち出しています。
EHS統括部 江端あき子さま
ドクタートラストがご縁をいただいたのも、禁煙セミナーでしたね!
(江端さま)これまでは主として集合型の研修を行ってきたものの、コロナ禍ということもあり、オンライン型の研修をトライしてみようという意見がでて、たまたまドクタートラストさまを知りました。
「自分たちが持っている研修の提供はできるが、お客さまの要望を追加するのは難しい」と言われる業者さまが多い中、ドクタートラストさまは当社の現状に合わせて資料のカスタマイズを提案してくださったのが非常によかったです。
セミナーでは、冒頭にEHS統括部から従業員の皆さんへのメッセージも入れていただきました。
集合型研修とオンライン型研修ではやはり全然違いますか?
(江端さま)全然違います! 当社は桑名、磐田、岡山の大きな拠点に加え、営業拠点が北海道から九州まで全国に位置しています。
大きな拠点は従業員が数千人いるので集合型研修も実施しやすかったのですが、小さな営業拠点での研修は、開催する必然性・必要性を感じていながらも、その方法がわからず永年課題としていました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、今や研修といえばオンラインが主流であり、受ける側も主催する側も違和感なくでき、同じ内容の研修をどの拠点においても受講してもらえるようになりました。
また、集合型の研修を実施するまでには日程調整、交通機関の案内、それに大勢の人が集まるので大きな研修会場やお弁当を手配したり……今思うと大変でした。
オンラインですと、その後のオンデマンド、見逃し配信を自分の業務都合に合わせて好きな時に受けられる点も優れていると思います。
新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、ドクタートラストにご要望いただく研修もほとんどがオンライン型です。
(江端さま)最近では、これまで紙でやりとしていていた健診予約をウェブに切り替えるなどEHS統括部としてIT化を進めています。
切替えが完了し、みなが操作に慣れたところにコロナ禍、本社でも在宅勤務が本格導入されたのですが、家にいても会社と同じ作業ができるので、ちょうどいいタイミングだったと感じています。
ほかにはどういったお取り組みをなされていますか?
(小澤さま)当社は「健康保持増進のための指針」の取組の一つとして、2004年から定期健康診断時に独自にライフスタイル、運動習慣、腰痛などについて問う項目も設けた「ヘルスチェックシート」を同封し、健康指導に活かしてきました。 (現在は、「ヘルスチェックシート」を「ライフスタイル調査」に改訂しています) また、メンタルヘルス面では、ストレスチェック制度の実施は2015年に義務づけられましたが、当社は先行して2011年から取り入れてきました。
(北川さま)加えてメンタルヘルス不調に早期に対応するために、定期健康診断時にカウンセラーによる全員面談を2002年から実施しています。
長年にわたり同じカウンセラーの方にお引き受けいただいているので、会社の事情にも精通しておられます。
EHS統括部 保健師 北川敬子さま
直近で積極的に取り組んでいることはありますか?
(北川さま)メンタルヘルス面ではカウンセラーに全国レベルでフォローいただけている一方で、事業所ごとの産業保健体制のつながり、統一が今の課題と思っています。
以前は全国の産業保健スタッフでの会議も皆さん日程の都合がつかず、なかなか開催できなかったものの、オンライン型研修同様にオンライン会議が一般的になったことで数カ月おきに会議の場を設けられるようになりました。
健康経営を契機として、事業所ごとの独自の取り組みを一つの方針に基づいて推進できるようになったのかなと思います。
健康経営きかっけで新しい施策が打てるということですね。
(小澤さま)当社はPDCAのうち、Plan(計画)とDo(実行)はすごく強いものの、Check(評価)が弱いところがありまして……。
新しいことを始めればその分だけ工場をはじめとした各事業場でやることばかり増えてきてしまいますので、施策を精査してAction(改善)につなげていくのが大切と思います。
先ほどの「ライフスタイル調査」にしても、Check(評価)、Action(改善)を強化し、きちんとデータを活用していきたいですね。
データの裏付けをもとにいろんな施策を打つことで、皆さん腹落ちして取り組めると感じています。
最後に、今後目指す姿を教えてください。
(小澤さま)2023年までに大きな施策を3つ掲げています。
1つ目は禁煙で、全社の喫煙率を20%にまで下げるのが目標です。
2つ目は、ドクタートラストさまにもご協力を依頼していますが、メンタルヘルス不調者をできる限り減らすために管理監督者向けのラインケア研修を充実させ、不調にすぐに気づく、不調者が出てもできるだけ職場に戻しやすい環境を整えることです。
そして3つ目は有所見率を下げることです。
そのために40歳未満の若年層メタボリックシンドロームの該当者や予備軍者になっている方を中心に、若い時からメタボならないための生活習慣を推奨する取り組みを新しく考えています。
(山﨑さま)また、製造業に労働災害はつきものですが、災害発生率を下げていくのもEHSとしての大きな使命の一つです。
4月より新たに社長に就任した鵜飼も、就任当初より安全衛生を最重要課題として掲げ、従業員にも繰り返しマインドセットとして発信しており、我々がより安全衛生に取り組みやすい風土になってきたな、と感じています。
NTN株式会社の皆さま
―― NTN株式会社さま、ありがとうございました!
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