日本たばこ産業株式会社さま
たばこや医薬品、加工食品を製造販売する日本たばこ産業株式会社は、健康経営優良法人ホワイト500の制度が開始された2017年度以降、5年連続で認定を受け、健康経営の分野で日本トップレベルを走っているといっても過言ではありません。
全社的な取り組み体制を東京本社の富樫剛さま(人事サポート室安全衛生チーム 課長代理)から伺うとともに、実際の現場ではどのように健康経営を進めているのか、大阪支社の山田昌子さま(人事労務部 保健部長・産業医)、福田幸子さま(人事労務部 保健師)、岡原明日香さま(人事労務部 主任)に教えていただきました。
※富樫さまにはリモートでインタビューしています。
人事サポート室安全衛生チーム 課長代理 富樫剛さま
まずは全社の取組体制について、富樫さまから教えていただけますでしょうか
もともと産業保健は積極的にやっていたところ、2015年に「健康経営」という形で、健康、元気といったベースのうえでパフォーマンスを発揮し、会社の持続的成長に貢献していくことをコンセプトの一つに掲げました。
また、「健康経営」という言葉が少々硬いイメージだったので、2015年当初は社員向けに「健康支援」という言葉を使って打ち出し、大きく5つのことに取り組んできました。
このうち1つ目は健康経営の意識啓蒙です。
健康経営の目指す姿をしっかり社員の皆さんに意識していただくため、社長による健康経営宣言や人事担当役員からのメッセージなど、経営層による発信を行っています。
2つ目は健康経営を進めるうえでの基盤整備で、人事担当役員を健康経営推進責任者とする健康経営推進委員会を立ち上げたり、健診データを扱っていく健康管理システムの整備などを続けてきました。
3つ目はいわゆるフィジカル面、そして4つ目はメンタル面の各種取り組みです。
最後の5つ目は「コラボヘルス」として、JT健康保険組合と協同で取り組んでいます。
健康支援体制についてはいかがですか。
具体的な体制としては、先ほどお話した健康経営推進委員会を立ち上げ、経営層と一体となって取り組んでいます。
さらに産業保健の実際の活動では全国を11か所のエリアにわけ、北は北海道、南は沖縄まで全国に産業医10名と保健師36名を配置し、およそ8,000人の社員の健康支援を行っています。
医療職の皆さんはどういった活動をされていますか?
当社が健康経営のコンセプトとして力を入れているのは、「一人ひとりに応じた健康支援」です。
多様性をキーワードに、健康診断後の面談も全員に行っています。
仮に健診結果が良くても、健診結果には出てこない悩みを抱えている可能性はありますし、今は健康であっても将来的にどうなるかはわかりません。
こういった面もしっかりケア、フォローするうえで、面談は欠かせないと考えています。
全社的な取り組みとして、これから目指していく姿はありますか?
今後も目指すところは変わることなく、「従業員一人ひとりが心身ともに健康で、持っている力を最大限に発揮してもらえるよう支援を行っていく」ことだと考えています。
昨今の新型コロナウイルス感染症の流行で在宅勤務が増えるなどの変化が起こっていますが、これらの変化に対応できる社員とそうでない社員が出てきます。
そういった状況に対して必要な取り組みを行っていきます。
そのためには、各地域、各エリアで対応してくださっている産業医、保健師が抱えている課題や必要としていることをいち早く把握し、一枚岩、一体になるために必要な基盤を整えていくことも大切です。
そして、少々具体的な話にもなりますが、 たとえば若年層で、なおかつ健康課題はなくとも、お酒など食生活に問題がある人に「若いから大丈夫」から意識を変えていただけるようなアプローチも必要だと思っています。
ホワイト500の認定を受けている企業としての責任を果たすべく、これら課題を乗り越え、さらなる向上に努めていきたいと考えています。
富樫さま、全社的な体制についてご教示くださいましてありがとうございます。 ここからは、大阪支社の取組状況を教えてください!
(岡原主任)大阪支社には社員やパートを含めて468名在籍、また関西工場には400名在籍しており、山田先生には大阪支社と関西工場、福田保健師には大阪支社の従業員について健康支援を実施していただいております。
近畿圏内ではこのほかに産業医が1名、保健師が4名在籍し、各事業場を担当しています。
大阪支社で特徴的なのは、生活習慣予防の取り組みとしてラジオ体操を行っている点で、毎朝定時に音楽が流れます。
みんなで体操をしてから業務に入っているのですが、より効果的なものとすべくラジオ体操連盟の指導員にお越しいただき「本気のラジオ体操」を指導いただいています。
昨年、大阪ビルだけで実施したところ、かなり好評だったことを受け、大阪支社全事業所にまで活動の範囲を広げました。
今年度は新型コロナウイルスの影響を受け、リモートで同じ先生に指導いただきました。
人事労務部 主任 岡原明日香さま
本気のラジオ体操というのは、私たちがふだんやっているラジオ体操と何か違うんでしょうか?
(山田保健部長)ラジオ体操自体は、多くの方が子どもの時から慣れ親しんでいるものです。
しかし、「本気のラジオ体操」のプログラムに参加してみたところ、単に腕を伸ばしたり、足を上げたり飛んだりしているわけではなく、一つ一つの動きに身体の各機能を改善させる効果があるということに気付かされました。
本気で取り組めば、かなり息が上がりますし、心身共にリフレッシュできます。
また、在宅勤務者の中には、家族と一緒に参加した社員もおりました。
コロナ禍で運動不足が懸念される中、心身両面でリラックス効果のある良い取り組みになったと思います。
人事労務部 保健部長・産業医 山田昌子さま
そのほかにはどういった取り組みをされていますか?
(福田保健師)毎年実施しているセルフケア研修では、運動がメンタルヘルス不調の予防になったり、改善効果があるとされていることから、健康講話と運動をセットで行っています。
今年度は新型コロナウイルス感染症に絡めて免疫力アップについての話をした後に運動をしましたので、皆さんの意識も高めていただきながら運動もできたかなと思っています。
また、管理職向けにラインケア研修も年2回実施しています。
このうち春は山田保健部長が、そして秋はドクタートラストさんの精神保健福祉士に依頼して、昨年度と今年度は事例検討、グループワークを実施しました。
精神保健福祉士の先生からは第三者的な外部からの助言をいただくこともでき、大変好評でした。
人事労務部 保健師 福田幸子さま
社内の事業に精通してられる先生、社外の視点を持った者で役割分担がなされているということですね
(山田保健部長)メンタルヘルス症例は、一つ一つの症例が全て違います。
弊社のマネジメント職も、日々メンタルヘルス対応に苦慮しておりますが、以前から具体的な実際の取り組みを教えて欲しいという要望が保健担当に寄せられておりました。
私が実際に産業医面談をした症例、あるいは外部の勉強会や研修会で学んだ症例を参考にしてモデル症例を作成し、それを元にグループワークを行ったところ、事例が具体的で参考になると好評でした。
また、マネジメント職は、社内研修等でグループワークにも慣れておりますので、活発な議論が展開されましたし、グループ内での意見集約もスムーズでした。
最後に、最近のお取組についてもお聞かせください
(岡原主任)ドクタートラストさんから来ていただいている精神科専門医の先生によるWEBを使った相談を始めました。
(山田保健部長)本来WEBでの面談というのは、予めその人の個性や人となり、病状を理解した上で実施されるものだと思いますが、気軽に相談してもらいたいので、初回でもWEBでの相談を受け付けることになりました。
まだ開始したばかりですが、WEB相談がきっかけで、対面での面談に結びついた例もあります。
コロナ禍においても、様々なツールを駆使して、メンタルヘルス不調発生の未然防止につなげていきたいと思います。
最後に強調しておきたいことは、全体的な取り組み状況を最初にご紹介いたしましたが、私共が心がけておりますのは、オーダーメードのような、社員一人一人に寄り添った地道な活動であるということです。
こうした地道な日々の活動が最大の特徴であり、今後も継続していくべき課題であると考えております。
日本たばこ産業株式会社の皆さま
―― 日本たばこ産業株式会社さま、ありがとうございました!
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