■ 周囲のサポートについて
周囲のサポート
ストレスチェックの設問項目のなかで、「上司」と「同僚」、「家族・友人」を対象として、「普段の話しのしやすさ」、「困った時に頼りになるか」、「個人的な相談ができるか」の3つを調べています。
皆さんは周りの人たちからどのようなサポートを必要としますか?
ソーシャルサポートは主に4つに分類されます。
① 情緒的サポート
つらい時に理解して慰めてくれたり、励ましや応援してやる気を奮い立たせてくれるサポート
② 情報的サポート
仕事上のアドバイスや役立つ知識・情報を教えてくれるサポート
③ 道具的サポート
実際に仕事を手伝ってくれたり、物や金銭面からのサポート
④ 評価的サポート
努力を認めたり、仕事を評価してくれるサポート
一人の人からすべてのサポートを得るのはなかなか難しいため、上司からは「正当な評価を得たい」、同僚からは「新業務をするときは情報をもらえると助かる」、家族からは「苦しい時に気持ちを理解して欲しい」などを知ることと、普段から一つでも多くのサポート源を確保しておくことが大切です。
周囲のサポートの項目
周囲のサポートは以下の項目で構成されています。
・ 上司からのサポート
・ 同僚からのサポート
・ 家族や友人からのサポート
・ 仕事や生活の満足度
個人結果をご覧になり、偏差値の低かった項目はどちらでしたか?
以下よりご自身のストレス要因について詳しく見ていきましょう。
上司が話しかけやすく、頼りになるなど、上司が部下に行う支援
★保健師からのコメント★
上司からのサポートを得るためには、待つのではなくこちらから働きかけることも重要です。
まずは、報告・連絡・相談の基本に立ち戻り、頻繁にコミュニケーションを取ってみませんか。
「これくらい上司は知っているだろう」「どうせ説明してもわかってくれない」という考えは一旦脇に置き、どのようなアプローチをすれば自分の話を聞いてもらえるかを考えてみましょう。
例えば、上司に対応を依頼する場合、対応・対策の必要性があると説得できるような説明スキル(見える化、ロジカルシンキングなど)が求められます。
同時に、客観的なデータや記録を説得材料として準備しておくとよいでしょう。
管理職の立場にとっても意義のある情報として、業務の効率化や職場改善にもつながります。
同僚が話しかけやすく、頼りになるなど、同僚同士での支援
★保健師からのコメント★
上司からのサポートと同じく、同僚からのサポートを得るためには、こちらからの働きかけも大切です。
ここでは、同僚と人間関係を深めるためのポイントを二つお伝えします。
① できる範囲でサポートする
自分の周囲で困っている同僚がいたら、積極的に声をかけましょう。
たとえ小さなことであっても、行動したその事実を同僚は忘れずに覚えていてくれるものです。
信頼関係につながり、横のつながりを強固にします。
② 個人的な見返りの期待ではなく、チーム成長への期待
仕事の肩代わりやサポートをしても個人的な見返り求めるのではなく、チームメンバーとしてサポートするという意識を持ち、総合的なチームビルディングに繋げていきましょう。
配偶者、家族、友人など、社外の人から受けられる支援
★保健師からのコメント★
「月に一度家族で旅に行き、ゆっくりと会話する時間を持つ」よりも、「1日5分ほど、家族で会話をしている」ほうが、はるかにコミュニケーションを深めるというデータがあります。
現在の自分の状況を日々知ってもらうことで、家族や友人も変化に気づきやすくなり、いざとなったときに早めのサポートが期待できます。
仕事や家庭生活に関する全般的な満足度
★保健師からのコメント★
この設問項目では、受検時点での仕事に対する満足度とプライベートについての満足度をうかがっています。
仕事の状況や家庭の状況によって、満足度は上下します。
また、満足度と働きがいは連動しています。
サポートを増やすためのヒント① コミュニケーションの回数
周囲のサポートを充実させるために大切なのは「コミュニケーション」です。
コミュニケーションを改善するアプローチの一つに、「内容よりも回数を充実させる」方法があります。
質を上げるのはスキルが要りますが、いつもより回数を増やしてみるのは誰にでもできそうですよね。
それぞれのやり取りは些細でも、たくさんやり取りをしたほうが、関係性の構築には有効というデータがあります。
これは「ザイオンス効果(単純接触効果)」といって、接触回数が増えるほど人の好感度は高くなるという理論です。
まずは手始めに挨拶からでもかまいません。
意識的に増やしてみて効果を自ら実証してみてください。
サポートを増やすためのヒント② ソーシャルスタイル
ソーシャルスタイルとは、人がそれぞれ持っている感情表現と自己主張の仕方で、4つに分類されます。
自分や相手がどのタイプかを見極めることができれば、コミュニケーション時に大いに役立ちます。
自分のソーシャルスタイルがどれに当てはまるかを知りたい方は、こちらをご覧ください。