労働安全衛生法の定めにより、事業場の規模(常時使用する労働者数)と、業種(危険な仕事に関し、業種指定があります)によって、事業場(支店・ビル単位)ごとに安全衛生管理体制を整備しなければなりません。
50人以上の事業場では、全業種で、選任すべき事由(労働者数が50人を超えた時点)が発生した日から14日以内に、①衛生管理者と②産業医を選任した旨を所轄労基署に届出(報告)なければなりません。また、③(安全)衛生委員会を毎月1回開催し、議事録を3年間保存しなければなりません。
法令どおりに実施できていない場合(形式だけで実態が伴わない場合も含む)は、改善命令ならびに各々50万円以下の罰金などが課せられます。(①、②、③ともできていなければ罰金は150万円になります)
常時使用する 労働者数 |
必要な労働衛生管理体制 |
10~49人 | 衛生推進者1人 |
50~200人 | 衛生管理者1人 産業医1人 |
201~500人 | 衛生管理者2人 産業医1人 |
501~1000人 | 衛生管理者3人 産業医1人 |
1,001~2,000人 | 衛生管理者4人(うち1人は専任) 専属産業医1人 統括安全衛生管理者 |
2,001~3,000人 | 衛生管理者5人(うち1人は専任) 専属産業医1人 統括安全衛生管理者 |
3,001人以上~ | 衛生管理者6人(うち1人は専任) 産業医2人 ※ 専属産業医2人または専属産業医1人+産業医1人 統括安全衛生管理者 |
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※2
衛生管理者(安全管理者)になるには、資格を取得する必要があります(国家試験の詳細は公益財団法人安全衛生技術試験協会のウェブサイトをご覧ください))。また、社内(人事部門)で個人情報(健康情報)の取扱いができる方が適任です。
※3
衛生推進者(安全衛生推進者)は、事業場に専属の方の中から事業者が選任します。また、専任された(安全)衛生推進者等の氏名は作業場の見やすい箇所に掲示する必要があります。
(労働安全衛生法施行令2条)
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業
製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業
<総括安全衛生管理者が統括管理する業務>(労働安全衛生規則3条の2)
・ 安全衛生に関する方針の表明に関すること。
・ 危険性または有害性等の調査、およびその結果に基づき講ずる措置に関すること。
・ 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価および改善に関すること。
(労働安全衛生法施行令3条)
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業
<安全管理者の巡視および権限の付与>(労働安全衛生規則6条)
・ 安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険のおそれがあるときは、ただちにその危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
・ 事業者は、安全管理者に対し、安全に関する措置をなし得る権限を与えなければならない。
(労働安全衛生法施行令4条)
<衛生管理者の定期巡視および権限の付与>(労働安全衛生規則11条)
・ 衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法、衛生状態に有害のおそれがあるときは、ただちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
・ 事業者は、衛生管理者に対し、衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければならない。
<衛生管理者の任務>(労働安全衛生法10条)
職場巡視を毎週1回、および下記の技術的事項を担当する。
・ 労働者の危険や健康障害を防止するための措置に関すること。
・ 労働者の安全や衛生のための教育の実施に関すること。
・ 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
・ 労働災害の原因の調査および再発防止対策に関すること。
・ 上記のほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの。
(労働安全衛生規則13条)
<産業医の職務>(労働安全衛生規則14条)
次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。
・ 健康診断の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
・ 面接指導および必要な措置の実施ならにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
・ 心理的な負担の程度を把握するための検査の実施ならびに面接指導の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
・ 作業環境の維持管理に関すること。
・ 作業の管理に関すること。
・ 上記のほか、労働者の健康管理に関すること。
・ 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
・ 衛生教育に関すること。
・ 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
<産業医の勧告権>(労働安全衛生法13条3項、4項)
・ 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
・ 事業者は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。
<産業医の指導・助言権>(労働安全衛生規則14条3項、4項)
・ 産業医は、上記職務に関し、総括安全衛生管理者に対して勧告、または衛生管理者に対して指導、もしくは助言ができる。
・ 事業者は、産業医が勧告、指導もしくは助言をしたことを理由として、産業医に対し、解任その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
<産業医の定期巡視および権限の付与>(労働安全衛生規則15条)
・ 産業医は、
少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、ただちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
・ 事業者は、産業医に対し、上記をなし得る権限を与えなければならない。
(労働安全衛生法施行令8条)
林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業および港湾運送業、自動車整備業、機械修理業ならびに清掃業
運送業(上記を除く)、製造業(上記を除く)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業
<安全委員会の調査審議事項>(労働安全衛生法17条)
・ 労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること。
・ 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係るものに関すること。
・ 上記のほか、労働者の危険の防止に関する重要事項
<安全委員会の付議事項>(労働安全衛生規則21条)
労働者の危険の防止に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。
・ 安全に関する規程の作成に関すること。
・ 危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置のうち、安全に係るものに関すること。
・ 安全衛生に関する計画(安全に係る部分に限る)の作成、実施、評価および改善に関すること。
・ 安全教育の実施計画の作成に関すること。
・ 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官または産業安全専門官から文書により命令、指示、勧告または指導を受けた事項のうち、労働者の危険の防止に関すること。
<安全委員会の委員の構成>(労働安全衛生法17条2項)
・ 総括安全衛生管理者または総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者、もしくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
・ 安全管理者のうちから事業者が指名した者
・ 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
(労働安全衛生法施行令9条)
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